関西医薬品協会は8日、「女性活躍推進フォーラム」を武田薬品大阪本社ホールで開いた。関薬協ビジョンに掲げる、「社会から信頼」「魅力ある協会」に基づくもの。テーマは「関西から女性が飛躍する社会を目指して」。
フォーラムのパネリストは、関薬協の宮柱明日香会長(武田薬品ジャパン ファーマ ビジネスユニット プレジデント)、澤田拓子副会長(塩野義製薬副会長)に、ゲストパネリストとして吉本新喜劇で初の女性座長となった俳優の酒井藍さんが加わった。ファシリテーターは関薬協理事長の林憲一理事長が務めた。
宮柱氏は、事業を進めるなかでとくに女性を意識していることはないとの前提を置きながら、最初の海外勤務地のインドネシアで当初、自分の考えを主張することにためらいがあったとして、自らがマイノリティとして存在した経験を語った。その後、勇気を出して主張を出すようにしてうまくいった経験から、性差に関係なく思いを発信することが、多様性を受け入れる契機になったことを明かした。
女性活躍というより多様性を重視して性差を意識しないとの考えは、澤田氏も示し、率直に言ってあまり「女性活躍社会」というフレーズは語りたくないとの意思を表明。性差に無関係に自分の能力を最大限に出せるような環境づくりが重要だとした。また、澤田氏は、多様性への反発が表面化している米国を念頭に、再び差別を許容するのではなく、日本はさらに多様性を推進していくべきだと強調した。
関西からの発信というテーマに関して宮柱氏は、関西のオープンマインドの強みをグルーバルにアピールしたいとの意欲を表明。澤田氏は、関西の強みのテーマを絞り込む必要を強調した。また万博協会理事も務める立場から万博を活用して「絞り込み」を考える機会にしたいとの認識も語った。
ゲスト参加の酒井さんは、女性が置かれる環境の改善に関して、新喜劇座員に複数存在する子育てする人のストレスに強い理解を示し、例えば劇場内に託児所をつくるなどの案を示しながら、常にリーダーとして寄り沿う気持ちを持ち続けていることを明かした。